9月4日に行われたアマーストの予備選挙を経て、第2選挙区の候補者4名が総選挙に向けて2議席を取り合っている。以下は、立候補者(予選通過順)への取材内容。出版にあたり回答の1部は省略した。
J.リン・グリシマー アマースト・サバイバルセンターの取締役会長。町会議の一員。マサチューセッツ大の経済開発元副主席。
志望動機:「総選挙はアマーストにとって重要な節目となる。あらゆる視点に耳を傾け、住民と皆一丸となって前進することで、選挙の成功を支援したい。良いスタートを切る機会は一回きりだ。私は経済開発に関わった経験を活かすつもりで、納税者層を広げ、自宅を保有する人に安心を提供したいと考えている」
3つの優先課題:
● 「新しい行政への移行を効果あるものにするための取り組み」
● 「小都市向けの、創造的な経済開発による地方の納税者層の拡大」
● 「小学校、消防署、保険、図書館などの公共施設の健全な管理と提供」
グリシマーさんはアマーストに30年間住んでいる。予備選挙で855票獲得。
―今回が、歴代初のアマーストの町議会の設立です。どのような町議会を心に描いていますか、またそれを実現するために何をしますか。
「初代に選ばれた町議会議員は、難題をつきつけられることもあるだろう。だが我々の行動は町のためになると信じている。 新しい行政への移行は町にとって価値あるものとなるだろう。我々が直面する問題の解決は決して容易ではなく、慎重な議論や想像的な思考、あるいは妥協が必要になるだろう。これが私の生きようであり、新しい議会の一員として、そうした姿勢と経験をもたらしたいと考えている」
-今アマーストが直面している最大の課題は何だと思いますか。
「住居の不動産税を制限しつつ、優れた公立学校とサービスを高く期待する市民の声に答えることだと考える」
―町の意思決定をする上での地域の大学の役割は何だと考えますか。
「大学は我々にとって、アイデンティティと活力の源泉。長年、エネルギーと水を節約など開発経済の分野に関して、大学と良好な関係を維持してきた。私はこの関係を今後も維持し、町と大学が一丸となって成功する機会を探したい」
―町議会の議員として、学生と町の永住者の関心事への対応についてはどのようにバランスをとりますか。
「この地区の住民の多数は学生で占められており、選挙区民の1人として彼らに尽くしたい。以前このような問題を多く扱ってきたので、前向きに捉えている。彼らと定期的にコミュニケーションを取り、アイデアを共有することによって、共通点を見つけられると確信している」
パトリシア・ドゥ・アンジェリス 町会議の一員。地域のボランティア活動に携わる。
志望動機:「アマーストは多様性に寛容的な土地柄だ。全ての意見に耳を傾け、心も体も健全に過ごせる地域作りを信条とする。一方で多様性と持続可能性を保つことの両立に困難を感じている。この解決のために、今回出馬する決意に至った」
3つの優先課題:
● 「健全な議会の方針と手順の制定。町の委員会や団体の発展状況や、議会の決定により影響を受けた住民の調査」
●「 持続可能な開発に向けて基本計画の改訂。 投資計画の査定の枠組みを提供し、多目的施設や持続可能な開発などの定義の説明」
●「 学生や高齢者、家族を持ったばかりの住民、ホームレスや抑圧された人にとって身体的、精神的な健康を維持できる環境作り」
アンジェリスさんは25年間アマーストに住んでいる。予備選挙で572票獲得。
―今回が、歴代初のアマーストの町議会の設立です。どのような町議会を心に描いていますか、またそれを実現するために何をしますか。
「町議会は地域の統治機関。幅広く経済・開発問題に焦点を当て、持続可能な開発に向けた政策を実行することで、住民の考えを反映する。社会正義との両立も考えたい。私は議会の全議員と協力し、新しい政策を打ち出し、効率の良い運営方法考えたい。これを行うには、新参議員の意見と古参の経験を活かし、統治に関わる責任を引き受ける必要があると考える」
-今アマーストが直面している最大の課題は何だと思いますか。
「投資計画への資金調達法。投資は小学校や図書館、保険ビルの再建と改築、またノース・プリザント消防署に新しいトラックを収容するための改修費用に充てる。他にも南アマーストでの火災対策に力を入れる必要がある。積立金と安定資金の使用も考慮に入れているが、連邦政府と州政府の認可する必要があり、アマーストカレッジとマ大からの寄付を申請して、この投資計画を維持したい」
―町の意思決定をする上での地域の大学の役割は何だと考えますか。
「ハンプシャーカレッジ、アマーストカレッジ、マ大とこの町は共存関係にあり、素晴らしい利益をもたらすが、同時に困難も生み出している。マ大学の寮の学部生と大学院生の居住率は50%ほどで、他の学生はキャンパス外に住んでいる。 結果として、学生の住居の要望は地域に影響を及ぼす。住宅価格を引き上げたことで購入が難しくなり、サービス部門に税負担をもたらした。大学による町の決定に関する意見は、経済発展を促進し、課税問題に影響を与えた。よって大学側も我々の税負担と経費の一部を負担することを望む」
―町議会の議員として、学生と町の永住者の関心事への対応についてはどのようにバランスをとりますか。
「第2選挙区には、マ大の寮、賃貸住宅、学生アパートが多く建てられている。私は有権者全員を平等に扱いたい。 住民の考えや意見を傾聴し、市議会や委員会への参加にも協力を求めるつもりだ。創造的で、効果のある協力体制を確立したい」
ヴィクトル・アンドレ・ヌニェス-オーティズ 予備選挙で442票獲得。取材には応じなかった。
ピーター・ヴィカリー 知事諮問委員を経て、アマースト商工会議所の理事を務める。町会議の一員。
志望動機:「アマーストの町全体が、より多くの職と住居を必要としている。優秀な学校を維持し、自然や環境、社会福祉の保護に務めたい」
3つの優先課題:
● 「優秀な学校を維持」
● 「自然環境を保護」
● 「社会福祉の保護」
ヴィカリーさんはアマーストに19年間住んでいる。第2選挙区に移住してからは10年が経つ。予備選挙で434票獲得。
―今回が、歴代初のアマーストの町議会の設立です。どのような町議会を心に描いていますか、またそれを実現するために何をしますか。
「議会は過度に管理や指揮することなく、効果ある監督の上で政策を打ち出す必要がある。反対に町政担当者は政策を策定せずに事業経営を続けるべきだと考える」
-今アマーストが直面している最大の課題は何だと思いますか。
「小規模な地元企業が根付き、発展するような風土を作ること」
―町の意思決定をする上での地域の大学の役割は何だと考えますか。
「大学は、我々の戦略にとって最も重要なパートナーだ。議会はマ大、アマーストカレッジ、ハンプシャーカレッジの学生や職員たちを歓迎していること、アマーストが彼らの故郷であることを気づかせる必要がある。アマーストの存在は、マ大の中でも主力のキャンパスを設置した、伝統的なニューイングランドの学生街として以上のポテンシャルがある。問題が起こったとしても、町と大学が一丸となって、効果的な解決策を打ち出すだろう」
―町議会の議員として、学生と町の永住者の関心事への対応についてはどのようにバランスをとりますか。
「私からの学生に対するメッセージは単純明快だ。アマーストは君たちの故郷であり、この場所への永住を考えるくらいもっと気に入ってくれることを望んでいる。年月のほとんどをアマーストで暮らす住民もいれば、限られた期間の間のみここに住む者もいる。だが我々は平等にお互いを尊敬し理解し合っている。」
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