マサチューセッツ州のアメリカ自由人権協会(ACLU)は、ツイッター上でマサチューセッツ大学の黒人大学職員レジナルド・アンドレードさんを正式に被害者として表明した。アンドレードさんはマ大の障害者サービスオフィスのマネージャーとして働く14年目の大学職員。先月14日に職場に向っていたところを何者かに警察に通報された。
同ツイートには「#LivingWhileBlack」のハッシュタグと共に、「黒人学生や職員が、理由もなく警察に通報されることに怯えて生活するべきではない」とも書かれた。
マ大警察署(UMPD)によると、アンドレードさんに対する通報を受けたのは午前7時45分。
通報者はウィットモア・アドミニストレーション棟のスロープに「取り乱した黒人の男がいる」と説明。通報は匿名回線によるもので、UMPDは通話の内容から黒人男性をアンドレードさんだと特定した。
ACLUは現在、事件当日の通話の録音及び転写を入手できるようUMPDに要請している。通報者を特定するため、匿名回線で使われたUMPDのプロトコルが必要だからだ。
アンドレードさんはACLUのブログで「ACLUやUMPDとの協力も含め今後大学がとる行動に期待している。私たちはまず、通報者が話した内容や、警察の対処法を知る必要がある」と述べた。
さらにアンドレードさんは、過去に2回同じように通報されていたことを同ブログで明らかにした。1件目は学部生だった頃、空き教室でオーディオブックを聴いていた時、2件目は4年前に職場にオフィス用品を運んだ後に起こった。
アンドレードさんは「このような私に対する日常的な監視や見張りは、心理的に大きな負担に感じる。大学構内にいると、不安に感じ、人を信じられなくなってしまう。私の行動が至って普通でも、突然逮捕されるかもしれないから」と語った。
マ大のメディア広報課のエドワード・ブラグスゼフスキさんは「事件直後、アンドレードさんは不審がられ匿名で通報されたことに心を痛めている。我々は彼への支援を続けている。彼はコミュニティーの一員として尊重されるべき存在だ。ACLUから電話の録音に対する申請を受けることができ、私たちは事件の進展に向っている」と話した。
ACLUはLiving While Blackの大学向けキャンペーンを新たに立ち上げたことも発表した。
このキャンペーンは模範的な方針を管理職員に示し、改革のための活動を望む学生に向けて援助を行うため、独自の方針や保安部隊しか持たない大学に適している。
州で行われた「人種と公平性に関するプログラム(ACLU主催)」のディレクターを務めたラザーン・ホールさんは「これまでに、黒人がただそこにいるだけで『不適切』だと見なし通報した人を何度も見てきた。警察はこのような偏見的な通報に向けてあらゆる対処法を考えることができるが、その対処の仕方によって人間性が問われることもよくある。大学が通報への解決に向けて、より良い方針や対策案を取り入れるためにも、今回の匿名通報と今後の警察の動きについてもっと知りたいと思う」と語った。
アメリカ自由人権協会(ACLU)は、1920年に設立した米国の非営利団体の一つ。表現の自由をはじめとする自由権の擁護を活動目的とする。
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