35日間続いた米政府機関の閉鎖は、費用の再計画や授業の延期という点で、大学生に大きく影響をもたらした。
政府閉鎖の報告結果によると、学生が春学期分の財政援助を受け取れないことが問題になっている。米メディアCNN(1月26日付)によると、学生は財政援助に関する書類が得られず、春学期の援助を受けることができないという。アメリカ合衆国内国歳入庁の閉鎖により、学生は財政援助に必要な税務書類を得ることができなかった。そのため、春学期に休暇を取らなくてはならず、学業を遅らせざるを得ない学生もいる。
マサチューセッツ大学アマースト校(UMass)でマーケティングを専攻している大学3年生、ナディア・エルダメリーさんにとって、政府閉鎖は大学への出席に直接影響しなかったが、将来が損なわれたという。
「私は実際に閉鎖の影響に関わったわけではないが、閉鎖のせいで1セメスター留学するための予算に影響が出た」。
エルダメリーさんは、 彼女の祖父母がロンドン留学のために残した費用を大切に取っておいたという。
「株価は数ヶ月間変わらなかったのに、閉鎖が始まってから急落した」とエルダメリーさんは言った。
「私が当てにしていた主な収入は使い切ってしまった。費用について考え直さなければいけない」。
新たに仕事を始めたばかりの卒業生も同様に政府閉鎖の影響を受けた。
2018年にUMassを卒業したブライアン・ムタイさんはハドリー市魚類野生生物局でフルタイムで勤務している。ワシントン州に住んでいる両親と共に、公共料金の支払いをし、余剰を貯金して暮らしている。新規卒業生であるムタイさんは、従業員と労使関係についての研修に行っていた。政府機関が閉鎖した時、彼は旅費の返済を待っていた。
「生活が苦しくなっている」とムタイさんは話した。「請求額を支払うためにクレジットカードの負債を作り続けている。働くためにもウーバーの運転手として登録したところだ。履歴書を手当たり次第送ってみるつもりだが、状況が改善することを願っている」。
ムタイさんによると、今後仕事についての計画はあるが、その中に連邦政府に関わる仕事は含まれていないという。
「人事管理専門家として働いている間に大学院へ行き、その後は連邦政府から離れるつもりだ。今回の政府閉鎖によって同僚たちが大きく影響された様子を目の当たりにし、家族を養っている自分にとって、このような政府閉鎖が再び起きた時どう影響されるのかが想像できない」。
同じく2018年度UMass卒業生のナーズ・シェイクさんにとって、政府閉鎖による直接的な影響がなかった一方で、他の人たちが大きく影響を受けている様子を見て心が動かされたと話した。ソフトウェア開発者として働くシェイクさんは、科学技術が政府閉鎖に対する市民の反応にどう役割を果たしたかに興味があると語った。
シェイクさんは、「今回の政府閉鎖によって、官職に立候補することに興味をもつ若者が増えることを願っている」と語った。「権力を握る者は政府閉鎖の影響を受けていないことが明らかになってきている」。
シェイクさんは、今後の選挙における若者の参加には、ソーシャルメディアが鍵となると説明した。
「ソーシャルメディアの発達が若い世代に適確に利用されれば、草の根運動が数百万ドルの後援を伴う運動になり得ると考えている。政府閉鎖の状況はとても腹立たしいものであるが、これらの困難は、連邦議会議員や活動家による新しい波をもたらすだろう」。
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