民間の広告代理店、 R2Cグループの最高経営責任者(CEO)のミシェル・カーディナル氏が、先週の木曜にマサチューセッツ大学アマースト校(UMass)にあるコミュニケーション学部のラウンジで講演会を開いた。カーディナル氏はブロードウェイでやつれ、精神的に崩壊した女性を通り過ぎたある雨の日の出来事を振り返った。
「正直、立ち止まって彼女に私のコートを貸すことなんて考えていなかった」とカーディナル氏は観客に打ち明けた。「彼女に対してどうしようもないとか、恥ずかしいとさえ考えてしまった。私の家のそばにいる希望のない女性という認識だった」。
25年以上テレビ広告やメディア関連の仕事をした後、カーディナル氏は故郷のオレゴン州ポートランドにいるホームレスをなくす決意をした。
カーディナル氏はホームレス問題への認識を呼びかけた。コミュニケーション学位を持つUMassの卒業生でもある同氏は、ホームレス問題にどう影響するかを知るため、公共政策の変化を追っていくことを在学生に推奨した。
「選挙が近づいているので、学生がホームレス問題に対して気に掛けることを望んでいる」とカーディネル氏は言った。「公共政策の決定や決定までの過程に注意を払ってもらいたい。「あなたたちは無力じゃない。問題を変える力がある」と学生に呼びかけた。
カーディネル氏によると、オレゴン州のホームレスの数は15万人にのぼるという。アメリカ合衆国住宅都市開発省の去年の報告書によると、ホームレスの数は夜には50万以上にのぼったという。
マサチューセッツ州の夜のホームレスの数は2万人ほどにのぼるという。1万人中29人がホームレスという計算だ。1万人中17人だった去年に比べ、今年度のホームレスの数は14パーセント増加した。一方ボストンでは1万人中91人がホームレスという計算になり、1日に平均6千人ほどのホームレスが街にいるという。
カーディナル氏は、ホームレスを促進する4つの要素を、障害、精神的な病、中毒、低価格住居の不足だとした。
カーディナル氏は「この部屋にいる全員が誰しも一度は、家族や親戚など何かしらの繋がりで精神病や薬物中毒に関わったことがあると思う」と言った。
カーディナル氏は双子の姉妹が難聴で精神的な病にも苦しんでいることを話した。母親が適切な治療を与えているという。
彼女は雨の中の女性を指して、「道にいる彼女のような人が私の姉妹だ」と言った。「何かしなければいけない。このような人々を見てただ自己本位に怒ったりしてはいられない」。
彼女はホームレスを助けるために活動している慈善事業への寄付をしたり、ホームレスを導く本当の要素についてR2Cの従業員を教育したりしている。それは、ホームレスに対する「怠け者」などという汚名ではなく同情の要求を含む。
カーディナル氏はCentral City Concern (CCC)という非営利団体の重役でもある。CCCは現在4つの州で活動しており、住居のサービス、精神病や薬物中毒へのサポートをはじめとする多くの事業を通してホームレスをなくすことを目ざしている。
講演後カーディナル氏は学生の質問に答えた。その中の多くは大学生の経済的負担に関するものだった。
大学4年生コミュニケーション障害専攻で、母親がカーディナル氏と高校の同級生だというサラ・カーラーさんは、キャンパス内でも精神病やホームレスを示すものを見たことがあるという。
「もう一つ私が目を向けているのはLGBTQIA+ コミュニティーだ。多くの子どもたちが家から追い出されて路上で生活しており、そのような経験によって更に精神障害を発達させている。このような状況はとても悲しいし心が痛む」。
人類学専攻2年生のトレイシー・リー・ブティラーさんも(有色人種の)ホームレスコミュニティーとともに行っている唱道についてや彼らの声をもっと広めたいことについて話した。
「ホームレスの人は自分達を無力だと感じているように思える」とブティラーさんは言った。「原因の1つはUMassの経営陣による予算の削減に基づいた政策によるものだ。ホームレスの実態は、予算削減のひずみに大きく影響される。彼らが直面している実態を取り上げることが、人道的な解決に繋げられることを望む」。
さらにカーディナルさんはインタビューで、より多くのホームレスの人々に有益な商業について学ぶことができるよう、過渡的住居を利用してもらいたいと話した。彼女は地元の従業員の一人による資金を用いて、まずはポートランドでこのような職業養成プログラムを始めたいと考えている。
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