水曜午前、マサチューセッツ大学構内で、白人至上主義団体「アイデンティティー・エヴロパ」のビラやシールが発見された。団体は男子大学生を勧誘するよう任命されたという。
ステッカーの発見場所は、キャンパスの池周りの屋外灯やハーター・ホール内の掲示板に張られたポスター。「アイデンティティー・エヴロパ」のロゴの下には「アメリカの偉大さはエヴロパに根付く」と書かれていた。ステッカーと共にルイジアナ州ニューオーリンズのジャクソンスクエアにあるアンドリュー・ジャクソンの銅像の写真も貼られていた。
アイデンティティー・エヴロパがツイッターに投稿した複数の写真によると、団体の主要メンバーは国中の大学のキャンパスや主要都市にビラやポスターを貼って回ったようだ。ロチェスター大学、ソルト・レークーシティー中心街、イリノイ大学などが被害に遭った。
古典を学ぶマ大3年生、ベンジャミン・ウィリーさんは、ギリシャ語の授業に出席するためハーター・ホールに行った時、6階の教室でビラを見つけた。
ウィリーさんは「ギリシャ語の授業の15分前に教室に着いた。座ってクラスメイトと喋っている時、ふと掲示板に目をやるとアイデンティティー・エヴロパのポスターがあるのが見えた。他の場所にもあるかもしれない思い、私たちは管理室に持って行った」と話した。
授業後、6階のラウンジに座っていると、掲示板にぶら下がっている2枚目のポスターを見つけたという。彼は「それは、6階にある別の管理室に持って行った」と言った。同日午後、ハーター・ホール3階でイタリア語の教授と話し、教授たちも建物中で多くのビラを見つけたということを知ったそうだ。
ウィリーさんは「『アイデンティティー・エヴロパ』については何度もニュースで読んだことがある。とても活動的な団体だ。国内で幅広く活動しており、大学構内でも活動していることを知っている」と話した。
社会と政治経済を学ぶ1年生、ソニア・エプステインさんによると、ライティングの授業の先生がインテグレーティブ・ラーニング・センター(ILC)に貼られたステッカーを見せに、生徒を外に連れ出したという。
「授業で政治運動の話をすることが多かった。キャンパス内でステッカーを見つけた大学院生の先生が、この団体について教えてくれた」。
エプステインさんは、他の学生にも注意を促すため、フェイスブックグループ「マ大の噂」にステッカーの写真を投稿した。
「この団体について聞いたことがなかったので、もしこれまで個人的に目にしたとしても素通りしていたに違いない。大学内での出来事に警戒し、この団体について知って欲しい」と話した。
エプステインさんは9月に差別的な事件があったメルビル寮に住んでいる。このようなビラやステッカーは「怖い」と話した。
「管理部は大学を誰もが安全に過ごせる場所にするための措置を取っていないように思える。これはヘイトスピーチであり、許されてはならない。失望と怒りで抑え切れない」と述べた。
マ大歴史学部長のブライアン・オジルビーさんによると、ハーター・ホールにポスターが貼られた正確な時刻は不明だが、ポスターは建物中に広がっていたという。6階と3階に加え、5階に1枚、1階と2階の教室にも4枚見つかった。
オジルビーさんは「昨日は誰も見つけていないため、おそらく昨晩遅くか今朝だろう」と推測した。
オジルビーさんと他の大学理事関係者は、大学総長の一員であるアンナ・ブランチさんに問い合わせた。
「我々はこの問題を適切に扱うため、決定をブランチさんに任せている」とオジルビーさんは話した。「ブランチさんは大学内のリーダーであり、今後どうするかを決めるのに適任だと思う」。
「白人至上主義的および特定の人種に憎悪を向けたようなメッセージを広める人がいることに反吐が出る。このようなことを見かけた学生は、担当教員にに相談すべきだ」。
なお、大学側にコメントを求めても応じなかった。この報告はより多くの情報が集まり次第解禁される。
「アイデンティティー・エヴロパ」は、2016年に設立したヘイト・グループ(憎悪団体)であると南部貧困法律センター(SPLC)は指摘する。「白人意識を奮い立たせ、人種的帰属意識によってコミュニティーを作り上げ、白人優越主義者のイデオロギーを合理的に分析する」ことに焦点を当てた団体として表現される。
名誉毀損防止同盟(ADL)も同様にアイデンティティー・エヴロパを白人優越主義団体として見なしている。ビラやポスター、横断幕、ステッカーを使って故意に大学構内を狙う団体として警戒している。
記事の作成者のマイケル・コナーズの連絡先は [email protected] 、Twitterは @mikepconnors まで。
翻訳・編集者の岡本明香音の連絡先は、[email protected] まで
編集者の山﨑友梨香の連絡先は、[email protected] まで